UIの開発・改善を行う際、重要なのはユーザーの学習。
身の回りには、使いづらいが、使っているモノが多くあります。仕方ないから使っているだけです。
しかし、そんな使いづらいものでも、慣れてくれば、他のモノに買い換えることに躊躇するはずです。私は現職で、病医院向けの電子カルテなどを開発していますが、
なかなか新しく開発した電子カルテに移行してもらえません。それは、使いづらいと思っていた旧タイプの画面でも、スタッフは素早く、また十分に使いこなせるからです。
これは、どんなプロダクトのUIでもいえることです。新しいプロダクト(機能)を開発する際、そのユーザーの習慣ことそが、最大の壁になるのです。
シンプルという言葉でよく例に取り上げられるのは、Apple製品でしょう。バウハウスの影響を受けた、この機能美とも言えるわかりやすさは、自動車メーカーが取り入れるのは、
難しいかも知れません。なぜなら、購入者、特に日本の購入者は、多くの機能があるクルマの方が「得」だと考える傾向があるからです。
その多くの機能の実装で生じる代償は、「複雑」です。この複雑なUIを、さらに機能面を複雑にし、コストを上げてしまっています。
複雑を回避する方法は「不要な機能」は外すことです。言葉で言えば簡単ですが、コストをかけて作った機能を外すのは、様々な面で容易ではありません。
しかし、Appleがしたように、複雑をなくすことで、UIは飛躍的によくなります。要は「単純なUI」が生まれるのです。この単純なUIをグラフィックデザイナーの手腕で、情報を整理したものは、購入者のファースト・インプレッションに大きく貢献するでしょう。
すべてのユーザーが同じバックグランドを持ってはいません。UIでは、メタファをよく用います。これは、ユーザー視点で常にデザインしていくことが重要であることです。
また、常にサービスブループリントやペルソナと照らし合わせながら、ディテールを組み立てることが重要だと考えます。
私が実務から得た、UIの要点
「切り捨てる」というのは、とても勇気がある決断。しかし、UIの視点からみれば、使用頻度が低いものは、非表示にしたい。複雑をなくすための邪魔になるからです。