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デザアト スイッチ ( 2017.08 )

アートとデザインの融合といって、作品を試作していて思った事。

それは「頭はデザイン思考」で「指先はアート思考」で制作しているって事だ。
元々、絵を描く事が苦手である私は、常に頭の中で「手書き」を避けてきた。
今、Adobeイラストレーターを使用すれば、直線、曲線だって、簡単に描ける。このおかけで、自分自身、デザイナーという肩書きで仕事が出来ているのは事実。

私自身、実際に筆で、油絵の具を、布のキャンパスに線を引くことは出来るが、まず、思った通りに引けない。いや、線を引くとは出来るが、その線が自分の想像している太さ、綺麗さにならない。
つまり、ディテールを見てしまう。気になって仕方がない。

試作品を、数点制作していくと、変化が起こる。
それは、“ディテールを気にしなくなる”。つまり、自分の頭の中では、「綺麗な線を引けない」ということを学習し始める。不思議な事。

そう思うのは、これまで商業デザイナーとして、インハウスデザイナーとして、体に染みついている「作り方」のせいだと、今は思っている。


デザインをする時には、必ず「目的(コンセプト)」があり、それを期待して待っている相手(クライアント)がいる。
もっと端的に言ってしまえば、相手(クライアント)の期待(望むもの)のために、色、形、素材を組み合わせていくのだ。
最後に、与えたれた制限時間内に、クライアントが満足する、また目標を達成することを目指して、頭も指もマウスも動いている。


話は少し逸れたが、結局、デザイン思考とは、するべきコンセプトを“決めたれた時間内に、出来る範囲内”で考え抜く事に他ならない。

アート思考は、コンセプトがないとは言えないが、自分の限界を設けない、時間の制約もない、常に心(感情)で描くことを優先している。

これまで、数ヶ月だが、制作をしていて、気づいた事。


アート思考とデザイン思考のどちらか一方を選択してしまえば、簡単な事。でも、今、試しみているのは、2者を融合させること。
まだまだ、先は長そうだ。


ちなみに、この文章のタイトルは、子供がよく見ていたNHK「ピタゴラ スイッチ」を真似たもの。


アート思考とデザイン思考...。
この両者のスイッチを、自分の思うようにON/OFF出来ているか、まだまだ、試して行きたい。