本を読む、WWWブラウザで記事を読む。この違いを考えてみた。
人は環境に適応していく、とはよく言うことだ。
私が二十歳の頃には、PC画面で、WWWブラウザを開きニュースを読むなど、全く考えられないことであった。
しかし、今では、PC画面は疎か、スマホの小さい画面で文字を読むことが大半だ。
私のような昔と現在を知る世代では、その文字を認知する、ある意味「能力」が違っていることが気になる。
新聞や本は、目線を「横に」動かす。ページをめくるという行為が、読んでいく上で必要だからである。
WWWブラウザや、特にスマホの場合、「縦に」にスクロールする。または、リンクをさせ、新しい別なページを読む。
この二つの行為は、異なった認知能力が必要だと思えて仕方がない。
私個人としては、WWWブラウザやスマホで、縦に読むことに、まだ違和感がある。
コンテンツの内容が、記憶しづらいのである。
以前よりは慣れてはきたが、やはり新聞や本に比べると、脳に記憶できる容量は少ないと感じることが多々ある。
これはどちらが良い悪いの話ではない。単に私見である。
しかし、スマホやタブレットは便利である。今では端末も軽く、画面も綺麗でサクサクと動作する。
しかも、その端末には、写真をはじめ、音楽など、あらゆるデジタルデータを保存し、閲覧できる。
これが、本や新聞などの紙媒体では、そうはいかない。当然のこと。
しかし、どうしても気になる。本や新聞で読んだ情報は、記憶として残るが、スマホの情報は、記憶にあまり残らない。
そこで思ったのは、「認知能力」である。
スマホには、これまで長い間、人間が読み続けていた紙媒体とは違った能力が必要だと。
今後、紙媒体で文字を読む機会は減る。私のような世代は、この変化に適応していく必要があると考えた。