research Collection

research Collectionでは、今後、制作・実験を検討しているアイディアを掲載。

UX/UIの私見

タッチディスプレイの苦味

ドライバーにとって、前方から目をそらす事は危険行為。改善について考えて見る。

以前から思っていたが、タッチディスプレイは「押した感覚」が手に伝わってこないのが、嫌でしようがなかった。
昭和世代の意見だけかもしれないが、やはり、ガラケーのように、立体的なボタンで、押した!というフィードバックがあってこそ、良いUIではないかと思う。

ただし、利用するシーンにも、必要、不要があることもある。
例えば、駅で切符を購入するとき、または食堂で食券を買うときも同様、タッチディスプレイで、タッチした時、「ピー」とか音が出るだけで良いかもしれない。
(点字での表示もあれば、UDとしてよりよい優しいUI)


しかし、必要な時を考えて見ると、利用シーンは多々ある。上の写真にあるように、運転中のカーナビの操作。ドライバーの視線は、常に前方(注意する方向)にあるべき。誰が考えても、同じ事を思だろう。
確かに、今のカーナビは、タッチすれば音はでる。「ピッ」とか。でも、それだけではドライバーに伝わる「必要な情報」は少ないと考えている。

五感で人は生きている。

皆そうである。何かを感じ、聞き、見てなど、五感は人間が昔から持つ能力である。日々、それに頼って生きているのは事実。それを無視してUIデザインをするデザイナーはまずいないだろう。クルマのカーナビ以外でも同様。

ここに私は“タッチディスプレイの苦味”を感じる。

指先は、人間と機器の大切な接点

指をタンスに挟んだりすると、とても痛い。それだけ神経がある部分。この敏感な部分に対して、タッチディスプレイは、何も情報を与えていない。

なぜ、点字が必要なのか?

言葉に注意して述べるが、点字は盲目の方が指で情報を得るためのもの。そしてその指の感触で、意味を汲み取る。
視覚的に認識しなくても、指という敏感な部分で、情報が伝わるのだ。

キーボードのプラインドタッチ

キーボードは、基本的にキーが浮き上がっている(立体)。そして、JIS規格のキーボードであれば、英字の「F」と「J」に突起があり、これを指で感じつ事で、キー配列を読み取るである。考えて見て欲しいのは、この突起もなく、立体感もないキーボードで、ブラインドタッチ入力ができるだろうか?
将来的には、テクノロジーやUIデザイナーの発明などで、新しいタイプのキーボードも発明されるかもしれないが、現在では、そのようなものはない。
スマホで、ブラインドタッチをするのは、とても難しい。それを補助するために、別売りのカバー一体型キーボード(立体)が、売られている。

クルマのUI

「昔のクルマは、操作が簡単だった」と感じる人もいるだろう。今ほど機能も少なく、もちろん、カーナビなどないし、もっと以前は、CDも聞けない。ラジオのみだった。

しかし、ここからは私見だが、そんな昔のクルマのUIのほうが、現在のクルマのUIより、格段使いやすかった。クーラーの調整はダイヤル式。CDプレイヤーはないので、ラジオを聞く。チャンネルの周波数を合わせるには、ダイヤル式のボタンを回してあわせる。どれも、ドライバーの目線は、前方(注意方向)のまま操作可能であった。

近い将来、音声認識技術で、クルマと対話しながら目線は逸らさず、空調やオーディオを調整するUIは実装されるである。しかし、その技術が、クルマの運転にフィットするかは、別問題だと私は思う。声を発生できない、または、したくないシーンもないとは限らない。

この研究から得られたアイディア

指先に凹凸を伝える。

現段階でのアイディアは以下のように、ディスプレイに凹凸を作る事。液晶ディスプレイを、手でぐにゃぐにゃ曲げられる時代、ディスプレイに凹凸を作る事ぐらい、不可能ではないはず。これはクルマのカーナビ等のUI以外にも、スマホのディスプレイなども同様。

また、ボタンの位置も制御できると応用がきく。

以上を考慮し、今後、実際にデザインを制作してみたい。
UX/UIの私見