BOOK CoLLection


ポール・ランド

ポール・ランドのデザイン思想 著者:ポール・ランド

デザイナーであれば、誰もが知っているアメリカのグラフィックデザイナー。
この本は、ポール・ランド生誕100年記念して発刊されました。
時代に左右されない素晴らしいデザインとは何かを教えてくれる必読書ですね。

13歳からのアート思考

13歳からのアート思考 著者:末永幸歩

「アートには答えがない。アートは見る人の数だけ答えがある。」
こんな事が書いてあります。これはとても興味を持ちました。
つまり、アーティストは、自分の「考え」を見る側に明確に伝えるメッセージ性のある作品を、意図して制作しているのではない。アートとデザインの違いは、この点に尽きると思います。
デザインでは必ずコンセプトがあります。つまり、意図的に制作されるのです。対して、アートではアーティスト自身が制作において、コンセプトがあったとしても、その作品に対する解釈の仕方は、人其々であるってことです。

アートとデザインの違いは、多くの方々が理解、また、見解がなされていると思われます。
但し、この本では「思考」というテーマで、この2つの概念を紹介しています。ここが面白い。そして、その思考の違いを、実際のアーティストの作品を用いて解説されています。

「作品は、アーティストだけによって創られるものではなく、見る人による解釈が、作品を新しい世界に広げてくれる」。
この一文をもとに、ビジネスモデル(サービス企画)に照らし合わせると、「アート思考」でのサービス企画というのが、多種多様化された現在において、必要な視点なのかもしれません。会社の中でも、MTGの場(例えば企画MTGとか)で訳の分からない意見や感想を言う人がいませんか?
私はそれこそ「アート思考」の原点ではないかと考えさせられました。答えがないことを発言できる人って、アート思考を実践されているのかもしれません。

Design Sprint(デザインスプリント)

Design Sprint(デザインスプリント) 著者:Richard Banfield, C. Todd Lombardo他

デザイン開発における手法と流れを、丁寧に教えてくれます。良本です。
実際の現場では、この本にある通りにスムーズに実践は出来ていませんが、デザインチーム、もしくは関係部署との意識合わせに、全員が読むと良いと思います。

デジタルマーケティング2.0 AI×5G時代の新・顧客戦略

デジタルマーケティング2.0 AI×5G時代の新・顧客戦略 著者:安岡寛道 , 稲垣仁美他

「5×5G」で出来ることを、業種業態別に紹介している本。
それは7つのコンセプトと8つの補完コンセプトがある。

7つの主要コンセプト

  1. リアルタイムマッチング
  2. コラボレーション/シェアリング
  3. IoT/セルフ化による自動化
  4. パーソナライズ/カスタマイゼーション
  5. ダイナミックな需要予測/プライシング
  6. MR化/ライブ化
  7. OMOのレコメンデーション

8つの補完コンセプト

XaaS X-Tech スコアリング/信用価値算定 アバター/エージェント化
マルチデバイス化 シームレス決済 スマートミラー活用 スマートシティ化

この本では、各業種でAIと5Gによって実現可能なサービス(技術)を紹介しています。おそらく、各業界ですでに検討されているサービス紹介ばかりで、あまり目新しいものはありませんでした。さらっと雑誌感覚で読むには良い本かもしれません。

「孫子の兵法」がイチからわかる本

「孫子の兵法」がイチからわかる本 著者:現代ビジネス兵法研究会

2500年も前の「兵法書」。論語も面白いが、こちら孫子も同様。
この本では、孫子が最も言いたかったことは、「戦わずして勝つ」ということ。なるほど、と思いました。当時は戦いが多く、必然的(?)にこのような作品(本)が生まれたんだと。
兵法と言えば、他にも多く同様の書籍があるはずですが、この「孫子の兵法」では、戦い方だけではなく、戦う前の心構え、準備といった点にもふれています。これが、現在でも多くの人を魅了する事ではないかと思いました。

「敵の情を知らざる者は、不仁の到なり(=役立つ情報は意外な所にある)」という言葉はを聞くと、私は真っ先に「喫煙部屋」を思い出す...。
また、「生間なる者は返り報ずるなり(=口が堅い人間がいちばん信用できる)」と聞くと、「そうだね〜」と頷いてしまうが、この本は兵法。この言葉の意味するところは「口が軽い人間を有効活用するべき」。その他、原文は割愛するが「相手の立場に立って意図や出方を先読みする」、「保身ばかりを考えるな」、「勝負に勝つにはそれなりの理由がある」、「自分の勝負しやすい場所で戦う」、「人は不利な状況の方がチカラを発揮する」、「上が下を思いやれば、気持ちは通ずる」、「一度任せたら、決して口出ししてはならない」、「まずは負けない体制を作る」、「逃げ場があると、必ずどこかに気の緩みがでる」、「何から何まで一から始めるのではなく、効率を考える」などなど。

私自身がこれまでの人生を振り返り、孫子の言葉をその時々に当てはめると、耳が痛いです。非常に。でも、いくつかは当てはまっている言葉もありました。それは「信頼関係を築ければ、どんな困難も解決できる」、「下が気持ちよく戦えるように常に気を配れ」、「他者からの評価されることを目的としない」など。あとはやっぱり「喫煙部屋」かな!?