BOOK CoLLection


「行為のデザイン」思考法

「行為のデザイン」思考法 著者:村田智明

デザインマネジメント「行為のデザイン」とは、3つの軸で人の行動に着目し、問題を見つけて改善する。また、新しい形を見つけていく。
この本は、2015年に発刊された比較的古い部類の本ですが、読み返してみると、今の「デザイン思考」にもつながる良書だと思います。
特にこの本では、「人・時空・目的」という条件を明確化し、人の行為を観察すると「バグ(問題点)」を見つけることができるという紹介しています。私もこの本の内容には共感します。人の行動には、前述の3つの条件は必ずあります。人と目的の関係性を良くするのが、私は最終目的(デザイン)だと思います。時間の流れはコントロールを出来ませんが、この本でいう「時間(時空」とは、環境を指しております。私たちデザイナーは、前述の3つの行動要素を分解することで、課題解決(バグ)を見るける。
私は、この点を踏まえ、サービスデザインを考える上でも、面白い概念だと勉強できました。デザイナーだけでなく、企画、営業の方々にも、お勧めの1冊です。

行動経済学が最強の学問である

行動経済学が最強の学問である 著者:相良奈美香

現在では、名だたる世界のトップ企業が、この行動経済学を学んでいる人材を探している。しかも、行動経済学チームも社内に設けられていることに驚いた。COO(最高執行責任者)、CMO(最高マーケティング責任者)と並び、「CBO(最高行動責任者)」といったポジションまであるらしい。
google、Amazonはもちろん、マイクロソフト、メタ、コカ・コーラ、ノバルティス、ネットフリックスなどの世界的企業も重要視しており、人材の争奪戦が!
また、教育面もハーバード、ペンシルベニア、カーネギーに加え、マサチューセッツ工科大学も経済行動学部が新設されているらしい。
経済は、人の行動の積み重ねであり、人間の行動を理解することこそが、大切である。日本の大学、企業にも是非、取り入れてほしいものです。こちら良書でした。

心を動かすデザインの秘密

心を動かすデザインの秘密 著者:荷方邦夫

認知心理学からデザイナーの役割までを紹介している本。
「日本のカタログと欧米のカタログの違い?」といった、デザインから、ヒトがモノを感じる(体験する)という意味では、今日のUXデザインにも通づる点を教えてくれます。
「認知デザイン学」という分野では、かなり読みやすい本。入門書ですが、気軽に読めます。

ビジネスモデル2.0図鑑

ビジネスモデル2.0図鑑 著者:近藤哲郎

「ビジネスモデルは、定説ではなく、逆説から生まれる」という、かなり面白い視点で書かれています。
掲載されているビジネスモデル自体は、メジャーなものです。ただ、そのモデルを、ビジュアル化している点は、デザイナーとして心を燻ります。
図鑑というより、序文にある「逆説ビジネスモデル」が、妙に面白い良本だと思います。

コミュニティカフェ

コミュニティカフェ: まちの居場所のつくり方、続け方 著者:斎藤保

私の古い大切な知人の著書。ついに出版されました。
「誰もがふらっと立ち寄れ、居心地の良い空間を楽しめる。出会いがあり、交流が生まれ、地域活動やまちづくりにつながることもできる場。
そうしたコミュニティカフェの魅力と、運営のノウハウを各地の事例も紹介しながら紐解く。」
(私は少しだけお手伝いしました。)

となりのヘルベチカ

となりのヘルベチカ 著者:芦谷國一

マンガで構成されている本だが、内容はとても面白い。20書体(欧文フォントのみ)と少ないと思われるが、厳選された書体は、どれもデザイナーとして一般知識として必須なものばかり。

書体の成り立ちや、実際に使われているケースの紹介、豆知識などがうまくレイアウトされている良書。「Helvetia」は、ドイツで作られているのではなく、スイスで開発された書体であるなど、普段使っている書体が、誰によって、いつの時代に、どのようなコンセプトで作られたのかが、分かりやすくまとまっている。
デザイン作業では、その場に合ったデザインを選択して問題ないと私は思うが、文字の歴史などを知っていると、より良い書体選びができそうです。

ウィルテノクロジーズのnoteでも、世界中で愛されている「ヘルベチカ(Helvetica)」についてコメントしています